人材育成ではビジネスマナーから教えるべき理由とは?

企業という組織の中では、常に人材を育成していく必要があります。
新入社員が入ってきた時はもちろんのこと、すでにビジネス経験を積んでいる人材が中途採用という形で入社していた場合も同じです。
いわゆる社会一般で通じる常識やノウハウを持っているかもしれませんが、それぞれの会社で重視されている考え方や優先事項というのは異なるものだからです。

こうした人材育成では、業務のやり方や技能を教えていく過程もありますが、なによりもまずビジネスマナーについて教育することが重要です。
ここで言うビジネスマナーは一般常識も含まれますが、特に自社の中で重視されるルールや社内での物事の進め方のことです。
こうしたことをすぐに教えるべき理由としては、まず効率だけを求める職場になるのを防ぐためです。
仕事ができれば失礼な人間でも良いという意識を持つことがないように、一番重要なことは何かを教える必要があるのです。

もう一つの理由は、ビジネスマナーは時間が経ってから教えるのは大変だからというものです。
仕事ができる人、役職に就いている人に細かなルールや挨拶の仕方、チームとしての考え方を教えようとしても難しいものがあります。
教える側が遠慮してしまいますし、当人にもプライドがあって受け入れにくくなっているからです。
こうならないように、人材育成の初期の段階でビジネスマナーについて教えるべきなのです。

3つ目の理由は、社内のちょっとした社員同士の立居振る舞いや関係性というのは、外部の人から見られているという点です。
いかにも社内の雰囲気が険悪だったり、粗雑な感じがすると、会社そのものへの印象が悪くなってしまいます。
もしかすると、提供するサービスや商品の質は悪くないものの、会社に信頼が置けないという理由で取引を控えられてしまうこともあります。
外部の人は商品だけでなく、会社の人間も判断基準にしているのです。

どんな仕事でもサービス業として考えることでマナーを意識するようになる

飲食店など、常にお客様の目に触れる業種であれば、マナーが非常に重要であるとの意識を持ちます。
ホールでおいしい料理を提供していても、厨房から怒鳴り声が絶えず聞こえているようであれば、その店に行きたくなるものです。
なんとなくそのお店のサービスが悪いと感じてしまうからです。

同じように、高い技術で製品を作っている会社であっても、販売担当者や修理担当者の態度が悪かったら、その会社を再び頼りたいとは思わないものです。
また、お客様の目の前で部下を怒鳴りつけているのを見たら悪い印象を持ちます。
このようにどんな業種であっても、高い技術があれば良いと考えるのではなく、サービス業として考えマナーや仲間との関係性を大事にする意識を持つことは大事なのです。

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